Greetings
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代表挨拶
代表挨拶

代表者 ごあいさつ
代表者 ごあいさつ
当オフィスは、2015年の開所以来、一般的な精神科クリニックや、併設のカウンセリング施設ではとても満足に解決できない困りごとを抱える皆さまのサポートを続けてきました。2025年、より多くの皆さまにそのサポートを提供すべく全面リニューアルをいたしました。
私たちが日々のカウンセリングで心がけているポイントを、以下にお伝えします。
私たちが日々のカウンセリングで心がけているポイントを、以下にお伝えします。

小椋 哲
CONCEPT
「ボトルネック」を探そう
CONCEPT
「ボトルネック」を探そう
「ボトルネック」=優先順位が高く、それを解決しなければ次に進めない介入ポイント
actual circumstances
actual circumstances
心理カウンセリングの実情
心理カウンセリングの実情
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- 現在、心理療法の種類は500以上とも言われています。でも、そのいずれにも出来ないことが一つだけあります。あなたに必要な心理療法がどれなのか、それを教えてくれることです。
- だから、ネットの評判と自分の直観を信じてある心理療法を選び、それを提供してくれるカウンセラーを探すか、たくさんの心理療法を知っているカウンセラーを選んで、カウンセラーに提案してもらうか、そのいずれかになるでしょう。
- それでも、うまくいかない場合も多いでしょう。なぜでしょうか?
- その理由は、多くの心理療法が、困りごとが限定されていて、日常生活に極端な支障がなく、経済的にも余裕のあるクライアントを対象として練り上げられているからです。
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- クライアントを、海に浮かび風をはらんで走るヨットと、それを操縦するヨットマンに例えるなら、心理療法が分かりやすくかみ合うクライアントとは、ある程度、穏やかな海に浮かび、ある程度は望んだ方向に進むことができるが、例えば、船底に亀裂が入っていて3日に一回は浸水をくみ出さないといけない、あるいは、帆は上がるが7割のところで引っかかって十分に風を受けることができない、あるいは、舵が左はよいが右へ切ることがかなり硬い、あるいは、ヨットにも飽きてきて進みたい方向がわからない、あるいは一緒に乗ってくれる人がいない、などのトラブルや困りごとを抱えているイメージでしょう。そして、その限定されたそれぞれのトラブルへの対策として、心理療法が生まれた。特に、似たようなトラブルに対しても「ヨットとはこうあるべきだ」という「ヨット観」がそれぞれの心理療法で多様なため、500にも膨れ上がるのです。(もっと言うと、カウンセラーが自費で食べて行くにはブランド化する必要があるという米国の実情もあります。)
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- ここで、想像してみて下さい。あなたのヨットが、船底に亀裂が走り、帆が途中で引っかかったまま、舵も効かない状態で、目指す港も見えず、たった一人で、嵐の海に放り出されたとしたら・・・。ずぶ濡れになりながら、次に襲う大波で海の藻くずとなるかもしれません。このとき、500ある心理療法の中で、どれが有効でしょうか?
残念ながら、その嵐の瞬間にまず何をなすべきか、それを教えてくれる心理療法が、未だないのです。
そして私たちがサポートしてきたクライアントの多くは、今にも沈没しそうなヨット・ヨットマンにそっくりでした。
- ここで、想像してみて下さい。あなたのヨットが、船底に亀裂が走り、帆が途中で引っかかったまま、舵も効かない状態で、目指す港も見えず、たった一人で、嵐の海に放り出されたとしたら・・・。ずぶ濡れになりながら、次に襲う大波で海の藻くずとなるかもしれません。このとき、500ある心理療法の中で、どれが有効でしょうか?
What is a bottleneck?
What is a bottleneck?
私たちのノウハウ・・・
ボトルネックとは?
私たちのノウハウ・・・ボトルネックとは?
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- 沈没しないために、まずは何が必要でしょうか? ・・・そう、まずはどこから手を付けるか、その優先順位を知っている必要があります。船底の亀裂でしょうか?帆でしょうか?舵でしょうか?・・・それとも、最寄りの港をスマホで探す?それとも、パートナーにいつか出会えるようにと祈る?・・・その全てに同時に取り組む余裕はとてもありません。選ぶ必要があるのです。と同時に、その遭難の状況次第で、そのいずれもが正解になる可能性があります。その臨床上の勘所を、私たちは「ボトルネック」と呼んでいます。優先順位が高く、それを解消しなければ次に進めない、ビンの細くなった首(ボトルネック)という訳です。
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- このボトルネックを見出すスキルのないカウンセラーが、この遭難状況をサポートしたら、どうなるでしょうか? 「ヨットは帆が命だ」というカウンセラーなら、7割までしか上がらない帆を10割まで上げる努力をするでしょう。でも、嵐の中では、帆はたたみます。帆を張ったままなら自殺行為です。同じタイプのカウンセラーでも優秀なら「嵐の場合だけは帆をたため」という教えを知っているかも知れません。それを実行できたら、確かに、一つのボトルネックを解消したことにはなります。でも、ピンチは続きます。「帆の専門カウンセラー」は、次に解消すべきボトルネックを見出すスキルを持ちません。そもそも帆以外の、船底や、舵や、目的地や、ヨットマンのパートナーの有無に、関心がないからです。
What is a frame?
What is a frame?
フレームとは?
フレームとは?
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- どうやったら、ボトルネックを見出すスキルが身につくのでしょうか?
そのためにはまず、数多くある心理療法のそれぞれの特徴を、「フレーム」(人と世界を認識する枠組み)として抽出できている必要があります。いわば、船底に注目することを得意とするフレーム、帆に注目することを得意とするフレーム・・・、という具合です。その上で、遭難現場に臨みます。うねる甲板に立ちながら、複数のフレームをヨットとヨットマンにあてがいながら、いわばスキャンするのです。そうすると、ボトルネックの候補が浮き彫りになります。あとは、経験です。例えばこの遭難状況なら、最初のボトルネックは船底の亀裂だ、という経験知を蓄積していくしかありません。
でも、500以上もある心理療法すべてのフレームを用意することなど、できるでしょうか?
- どうやったら、ボトルネックを見出すスキルが身につくのでしょうか?
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- 少なくとも、私たちには、まだできていません。しかし、理論的に明快で汎用性も高いいくつかの心理療法や、関連する学知(進化心理学、認知科学、各種の哲学・思想)をピックアップし、それらのフレームをさらに抽出・統合した、メタ・フレームなら、用意できています(煩雑なので、メタ・フレームも含めてフレームと呼びます)。基本的なフレームの一つが、「ヒトの4つの機能」です。一人のクライアント、その全体像を見渡そうとした場合に役に立ちます。ヒトが駆使できる機能を、平易な日本語の動詞、4つに整理します。「信じる」「考える」「感じる」「動く」。この目の前のクライアントは今、何を信じ、何を考え、何を感じながら、どう動こうとしているのか?そのフレームをあてがいつつ、クライアントに向かうのです。そして、この4つの機能が自在に働くことができているなら、そのクライアントにはそれほど甚大な不自由はないでしょう。逆に、困りごとがあるとしたら、4つの機能のどこかに、機能不全がある。それは、どう評価したらよいでしょうか?
What is literacy?
What is literacy?
リテラシーとは?
リテラシーとは?
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- そこで私たちが用意しているフレームの一つが、「リテラシー」のシリーズです。リテラシーの原意は「読み書きのスキル」ですが、ここでは、ヒトの4つの機能を自在に使うためのスキル、という含意で用いています。すなわち、ヒトの4つの機能それぞれに対して、「スピリチュアル・リテラシー」「認知リテラシー」「感情リテラシー」「身体リテラシー」が対応します。こうなると、雰囲気が「静かに話しを聞いてくれる」あるいは「こころの歪みを指摘してくれる」心理療法というよりも「私塾でソロバンを習うようなトレーニング」に近づきます。実際、今まであなたは「考える」という機能の使い方を、誰かに習ったことがありますか? 認知リテラシーの基本の一つは、「考えには最初と終わりがある」です。そして「終わったら行動に移す」です。逆に「行動に移せない考えは考えない」です。身も蓋もない言い方ですが、これが「考える」というヒトの機能の、自在にコントロールできた使い方なのです。そして、あからさまには誰も教えてくれないことでもあります。すると「ひたすら考え続けるだけ」という状態が如何に、認知リテラシーから逸脱した状態であるかがわかります。なぜ、そのループにはまってしまうのでしょうか?(その事情は、教育コンテンツのページをご参照ください。)
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- そもそも、いずれのリテラシーも、誰からもちゃんと教わったことがない内容ばかりになっています。なぜでしょうか?それはいずれも、ヒトとして成長する過程で自然に身につけることが期待されている内容だから、です。だから、できるヒトはできるが教えることができない、できないヒトはできない、メンタルヘルスを途中から崩してできなくなったヒトは誰に教わっていいかわからない、という状況になるのです。ようやく心理療法の世界でも、エモーション・フォーカスト・セラピー(emotion-focused therapy)などは、私たちが用意した「感情リテラシー」に極めて近い発想に基づいていて(感情を生存に必要な情報と捉える)、カウンセリングを「トレーニング」と捉えています。もちろん、フレームはこれだけではありせんが、ともあれ私たちは、このように用意したフレームを携えて、甲板に立っています。そして必要に応じてそのエッセンスを、嵐の中でクライアントと一緒にトレーニングに励むという形で、お伝えしているという訳です。
What is form?
What is form?
フォルムとは?
フォルムとは?
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- カウンセラーがカウンセリングの中で、クライアントに向き合う際の、その全体的な関わり方の質を決める態度、それを私たちは「対人援助の型(フォルム)」と呼んでいます。
この主要なものが、トップページで既にお伝えした、「案内係」「学者」「教師」「トレーナー」「母親役」「父親役」「老賢者」「巫女」「弁護人」「土地の人」「政治家」「証人」です。
これを、生きた面接の流れの中で、必要に応じて、自然に、と同時に明確にカウンセラーが自覚しつつ、切り替える、これが『統合的心理療法』を実践する上でとても大切です。
これは、ボトルネックが推移していくにつれて、フレームだけでなく、フォルムをも交代させていく必要があるからです。
「トレーナー」のフォルムと、「母親役」や「巫女」とは、かなり、クライアントにとっての印象と効果は異なるでしょう。残念ながら多くの心理臨床の現場では、特定のフォルムだけでクライアントと関わる面接が多いようです。
- カウンセラーがカウンセリングの中で、クライアントに向き合う際の、その全体的な関わり方の質を決める態度、それを私たちは「対人援助の型(フォルム)」と呼んでいます。
summary
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まとめ
まとめ
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- 『統合的心理療法』という呼称は、日本心理療法統合学会の発足が2019年であることが示唆するように、比較的新しいものです。
でも、本邦の動向調査(2004年)では、臨床心理面接で用いている技法についての問いで折衷的アプローチを選んだ者が73.7%と最も多く、英語圏の調査(2005〜 2017)でも、統合をオリエンテーションとして選んだ者は18〜47%で最も多かったとの報告があります(日本心理療法統合学会編『心理療法統合ハンドブック』, p20, 誠信書房, 2021年)。つまり私たちは、揺れる甲板に立ちながら、クライアントさんと格闘する中で、結果的に、世界的な潮流に沿った臨床を続けていると言えます。ただし、単に複数のフレームを持つという折衷ではなく、ボトルネックを見出し、必要に応じて、時に迅速に、時にがまん強く、フレームとフォルムを切り替え、維持し続ける、まさに統合的なアプローチを実践していると自負しています。
2025年4月瑞枝カウンセリングオフィス 代表者医療法人瑞枝会クリニック 院長医療法人瑞枝会 理事長小椋 哲 - 『統合的心理療法』という呼称は、日本心理療法統合学会の発足が2019年であることが示唆するように、比較的新しいものです。